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無題 〜「南の雨に耽る」(作曲:小出稚子)のための

  • 執筆者の写真: 新美桂子
    新美桂子
  • 2022年9月23日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年9月25日

早熟の太陽に

奪われた思考が

樹液を流し

祈りに昇華する


向こう見ず風と戯れ

そこらじゅう地面に果てた

未熟の青いパパイヤの実が

弔いの雨を弾(はじ)く


さめざめと木霊(こだま)する

永遠と軽妙な音楽

濡れた緑の毛布に

くるまれた棲(すみか)で

闇に朽ちゆく時間を

噛み潰しながら

無鉄砲に放たれ

転がる死を 生まれる命を

傍観する隣人たち


庭に咲く花を眺めるように

かりそめの空を仰ぐように



                                  

公開:2018年3月18日 NHK-FM「現代の音楽」

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団、高関健(指揮)

作曲:小出稚子「南の雨に耽る」 

 
 

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