面影のほとりに
- 新美桂子
- 2022年9月22日
- 読了時間: 1分
更新日:2022年9月25日
悲しみの淵の
ぬかるみに立つ木でさえも
あなたの声に耳を傾け
風に葉をそよがせる
背中になだれ込む
陽射しを羽織るその影は
水面をなぞるように
向こう岸へと伸びゆく
架け渡した想いが 時間を隔てた私の願いが 澄んだ空気に触れ あなたにたどり着くように 肌寒い季節の 朝焼けに覚えた匂いが たぎる孤独のうちに ぬくもりを放ち 無意識の狭間に 眩しく照りつける太陽が まばらな記憶を繋ぎ 雪解けに導く 静けさに寄り添い あなたをすぐ近くに感じながら 目の前の風景に 移りゆく姿を捉えた 何度も見た夢を 束の間の永遠を 遠ざかる日々の 空白に埋め尽くし 七色の憂いに 拡がる兆しの波紋から 浮かびくる希望が 梢に芽吹く頃 私は祈り続ける せせらぎに埋もれた幽かな片鱗を 泉の懐から 両手ですくい上げるように
初演:2020年3月5日 豊洲シビックセンターホール ヴォクスマーナ第43回定期演奏会
演奏:ヴォクスマーナ、西川竜太(指揮)
作曲:伊左治直
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