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水脈を爬 (は)う

  • 執筆者の写真: 新美桂子
    新美桂子
  • 2022年9月21日
  • 読了時間: 1分

更新日:2024年1月5日

虚(うつ)ろな空に

どこ吹く風と

弁天さま


すり抜ける気配と

裏腹に目眩(めくるめ)く

白日の爛漫と

刹那の渇き


四方山(よもやま)に

とぐろを巻き

ふっくら青らむ影は

よもや煩悩の類か


一夜(ひとよ)見果てぬ夢に溺れ

早瀬に流されては

無常さを湛える淵を

泳がされるも常か


蛇苺の無味の

色褪せた記憶でさえ

朝焼けの相に

肉感をもたらし


波打つ光は

散乱されきって

その麓に艶(つや)やかな

尾を引いている



                                  

初演:2022年3月8日 豊中市立文化芸術センター小ホール(大阪公演)

再演:2022年4月7日 めぐろパーシモンホール小ホール(東京公演)

unit 4/4 (ユニット・カトルカール)〜伊左治直×西村朗

演奏:太田真紀(ソプラノ)、碇山典子(ピアノ)、新美桂子(朗読)

作曲:西村朗

 
 

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