羊腸小径
- 新美桂子
- 2022年9月21日
- 読了時間: 1分
更新日:2022年10月1日
満月の棺(ひつぎ)が
這いずり廻る
羊腸の小径(こみち)に
打ち上げられた
羽根球(シャトルコック)
真っ直ぐに
殺気立つ鉄塔
落雷の爪痕(つめあと)に
繁殖する肉厚の雲
闇を貪むさぼる
笑い茸(ワライタケ)の呻(うめ)き
オリーヴの実を成す
未熟な獣の意思
脳裏に身悶える
無骨な星アルゴル Rrrr...
揺さぶる舌に
滴る鐘の音(ね)のしたたかさ
Ding dong, ding dong...
大潮の時を待っていた。
満月の女の存在なしに。
くねり道を腹ばって、
実体のない影が蠢く。
ファルスの飛躍に、のたうつ子羊。
厳かにそびえる、鋼の主。
稲妻が闇を裂き、電気が全身を貫き、
覚醒したキノコは私の一部となる。
その産声に蘇る断末魔の叫び。
罪深くも、脳の奥底深くの核に、
思考を行動に変えることを可能とする、
果実を孕まされて。
悪魔の欲望が頭をもたげる。
鐘が鳴り響くたび、
ぶら下げた舌に錆びつく、
血生臭い余韻がつきまとう。
初演:2020年12月23日 トーキョーコンサーツ・ラボ 低音デュオ第12回演奏会
再演:2021年5月19日 杉並公会堂小ホール 低音デュオ第13回演奏会
再演:2021年12月18日 静岡音楽館AOI ゆかいな低音デュオ
演奏:低音デュオ(バリトン:松平敬、チューバ:橋本晋哉)
作曲:伊左治直
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