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地獄巡り七七九 〜「ユメノ湯巡リ声ノ道行」(作曲:伊左治直)より

  • 執筆者の写真: 新美桂子
    新美桂子
  • 2022年9月23日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年10月29日

コラ 火山仰山 温泉大国 地獄巡る者は

「そら、シュラ(修羅)シュラ」

湯の神賜う 天恵浴びて 浄土を夢見らむ 「ハイ、ココクニッポン(故国日本)。テンジュマットウ(天寿全う)。イヤサカ(弥栄)ッ。」

キタ(北) 人里離れ 鬼の棲み処に 地鳴りが轟けば

「ゴロっとな」

登別より 紫雲たなびき 極楽へと通ず 「イオ〜ゥ(硫黄)。アブクタッタ(泡立った)、ニエタッタ(煮え立った)。ドウダカ。」

ぁ、キタ(秋田) 後生掛けたら 陸奥越えそれでは(出羽) 玉川寄るざんしょ

「ザブっとな」

下りて川原毛 奇岩怪石 滝壺飛び込めば 「ハイ、ブンブクユガマ(分福湯釜)、ブクブクユダキ(ぶくぶく湯滝)、ドロ(泥)ロッ。」

アラ こちら鬼さん 手の鳴る方へと 鳴子へ下りて来た

「へぇ、なる(鳴)ほど」

とろりウナギ湯 アラゆ(荒湯)っとスリ抜け ふわり舞う湯の花 「まァ、オハダツルット(お肌つるっと)、ナルサッサ(なるサッサ)。カタヤマ(片山)。」

コレ  侮るなかれ 穴ぼこだらけ パノラマ湯けむりの

「おぉ、ワクだに(大湧谷)」

こりゃたまげた 卵も黒けりゃ 寿命も延びるとな

「イオ〜ゥ(硫黄)。グツグツと、ボコボコっと、マグマ。」 おや 猿がこぞって 肩まで浸かって うっとり赤ら顔

「いぃ湯ダナカ(湯田中)」

人の視線も 構わず流すは 堂々横湯川 「ハイ、ヤエンコーエン(野猿公苑)、エンヤーコラッ、サッサ。」

キトゥ(祈祷)〜 今は幻 湯の谷眠る 霊地立山こそ

「ついウトウ(善知鳥)ト」

引き継がれしは 山岳信仰 源泉ここにあり 「ナ〜ム(南無)。リンネテンショウ(輪廻転生)、カルデラマンダラ(曼荼羅)、アミダ(阿弥陀)。」

ほな  西の大関 有馬目指して 六甲ラビリンス

「さぁ迷った」

なんのこれしき 湯治行脚に 試練はつきものだ 「ハイ、ゲタ(下駄)カッカッ、オ〜行けサッサ(大池)、コ(来)イナ。」

ハ(果)テ  奈落雲仙 湯気の向こうは 常世かうつし世か

「さてどっちか」

白濁に染まる 数奇の歴史 彼岸に彷徨える 「イオ〜ゥ(硫黄)。チミモウリョウ(魑魅魍魎)、 モウジャモウロウ(亡者朦朧)、アッチ(彼方/ 熱っち)な。」


                                  

初演:2014年9月7日 青山スパイラルホール

和の魅力発見シリーズ Traditional+(トラディショナルプラス)【vol.5】Voice Surfing 声の系譜

演奏:室生述成(聲明)、観世喜正(謡曲)、木津茂理(民謡)、坂本美雨(ポップス)

作曲:伊左治直「ユメノ湯巡リ声ノ道行」 ※「地獄巡り七七九」原曲:秋田音頭(編曲:伊左治直)


地獄巡り順路 :北海道登別温泉地獄谷〜秋田県地獄巡り(後生掛~玉川~川原毛~泥湯温泉)〜宮城県鳴子郷荒湯(鬼首)温泉片山地獄谷〜神奈川県箱根町大湧谷(地獄谷)〜長野県地獄谷温泉(〜湯田中)〜富山県立山地獄谷温泉〜兵庫県有馬温泉〜大池地獄谷〜長崎県雲仙温泉雲仙地獄〜大分県別府温泉地獄巡り

 
 

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